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中3 性教育講座が行われました







 2月19日(水)2・3時間目,中学校3年生対象に性教育講座を行い,助産師の安藤由美子さん(北海道助産師会PALの会)に『いのちからのメッセージ』というテーマでお話をしていただきました。
第Ⅰ部前半は“いのちについて”と題し,カードに開けられた穴と貼られた小豆で卵子と胎児の大きさを確認したり,受精の瞬間や胎児が成長していく過程はイラストや写真で,出産のときの赤ちゃんの様子などは人形を使って,具体的に教えていただいたりしました。東日本大震災があった3月11日に誕生した赤ちゃんを紹介するDVDを観て,また,お子さんを妊娠・出産したときのエピソードについて書いていただいた『親からの手紙』を聞いて,何人もの生徒が涙を流していました。
後半は“性のプライド”ということで,中絶や性感染症が多い札幌市のデータや交際中の男女に起きた事例などを通し,高校生になる前の今の時期だからこそ性の影の部分についてもしっかり伝えてくださいました。さらには,安藤さんが性教育を行うきっかけとなった中2で出産した子の話,中絶を選択し「私は人殺しですか?」と聞いてきた高校生の話,産まれる直前に亡くなってしまった赤ちゃんとお母さんの話など現場での経験をお話してくださいました。安藤さんの情熱に吸い込まれるように,避妊の話なども生徒たちは真剣に耳を傾けていました。
第Ⅱ部は養護教諭から,事前に行ったアンケートの結果をもとに,接触欲には男女差があることやセクシャリティは人それぞれ違うことなど,素敵に恋をするためのポイントについて話しました。
講座を受ける前まではマイナスなイメージを抱いていた生徒たちも,“性教育”を“生教育”と捉え,身近な大切で必要なこととして考えてくれたようです。今後も一人一人が自他の心や体,命を大切にし,望ましい人間関係を築くことができる人に成長していってくれることを願っています。

【生徒の感想】
・女性が妊娠する際,どれだけ大変なことなのか,どれだけの覚悟が必要なのかということを考えさせられました。中学生のうちはまだ早いと思っていたのですが,自分でなくても,知り合いや友人が困っているときに,性教育をしっかり受けていたら,相談にものってあげられるかなと思いました。(女子)
・妊娠というものは,僕が思っているよりももっと壮大でした。中絶や親の思い,流産などの話の時,女子が結構泣いているのを見て,絶対に気軽に性行為をしてはいけないと思いました。性に対する意識が180℃変わりました。もし彼女ができたときには大事にします。(男子)
・自分を産んでくれた親に感謝して,「死ね,消えろ」など言わないよう,これからの言動を変えていこうと思いました。(男子)
・普段は小言が多くてケンカばかりしている家族で,「ウザイ」と感じることもたくさんあるし,言うこともあります。だけど,今日この授業を受けて,心がとてもあたたかくなったし,「ありがとう」という感謝の思いばかりがあふれてきました。たくさんの愛をうけて,お母さんとお父さんの元に生まれてきたことを忘れないで,私も愛を返していこうと思いました。(女子)
【参加してくださった保護者の方からの感想】
・親からはなかなかうまく伝えられない話,親からは聞きたがらない話ですが,(中略)子どもたちの胸に響くものがあったのではないでしょうか。一生忘れないと思います。
・子どもを産んだ時の初心に戻ることができました。勇気をいただきました。
・命の尊さ,自分はかけがえのない存在であることを改めて感じることが出来たと思います。衝撃を受けたり,胸をうたれたりすることが多く,涙が止まりませんでした。性のリスクについても学べたと思います。