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中3 性教育講座終了







 2月25日(水)2・3時間目,中学校3年生対象に行われた性教育講座では,北海道助産師会PALの会の助産師 安藤由美子さんに『いのちのメッセージ』というテーマでお話をしていただきました。
 第Ⅰ部は“いのちの誕生”と題し,カードに開けられた穴と貼られた小豆で卵子と胎児の大きさを確認したり,人形を使って出産のときの赤ちゃんの様子などを具体的に教えていただいたりしました。東日本大震災があった3月11日に誕生した赤ちゃんを紹介するDVDには,何人もの生徒が目をうるませていました。
 第Ⅱ部は,“性のプライド”と題し,中絶や性感染症が多い札幌市のデータや交際中の男女に起きた事例などを通し,高校生になる前の今の時期だからこそ性の影の部分についてもしっかり伝えてくださいました。さらには,安藤さんが性教育を行うきっかけとなった中2で出産した子の話,中絶を選択し「私は人殺しですか?」と聞いてきた高校生の話,産まれる直前に亡くなってしまった赤ちゃんとお母さんの話など現場での経験をお話してくださいました。安藤さんの情熱に吸い込まれるように,避妊の話なども生徒たちは真剣に耳を傾けていました。
 講座のまとめとして,ゲストティチャーに子育てについてのインタビューを行い,保護者の方に書いていただいた『親からの手紙』を紹介しました。講座を受ける前まではマイナスなイメージを抱いていた生徒たちも,“性教育”を“生教育”と捉え,身近な大切で必要なこととして考えてくれたようです。また,キャリア教育の一貫として,命を扱う仕事についての理解も深められたのではないか,と思います。今後も一人一人が自他の心や体,命を大切にし,望ましい人間関係を築くことができる人に成長していってくれることを願っています。

【生徒の感想】
・簡単に赤ちゃんできてしまった人もいる一方で,苦労してやっと授かった命もあり,外の世界がどうなっていようとお腹の中の赤ちゃんは必死に生きようとしていて,命の重さを感じた。だからこそ軽い気持ちで性行為をすることは絶対にだめだと思った。(女子)
・命に関わる性教育は決して軽んじてはならないことだと理解しました。産まれてきた赤ちゃん一人一人にそれぞれのドラマがあり,その一つ一つが感動的でした。自分はいわゆる「さかご」で(中略),今こうやって生きていられることまでもが,とても神秘的で奇跡なものであり,辛い痛みに耐えて産んでくれたお母さんに感謝したいと思いました。(男子)
・よく「あなたの人生だから好きにしな。」とか「私の人生なんだから…。」といったセリフを耳にするが,それは間違いも含まれているんじゃないかなぁと思う。お母さんが苦労して産んでくれた,親戚のサポートがあった,さらに何年も前から続いてきた命のバトンだから,大切に,大切に。自分だけのものではないな,と思った。(女子)
【保護者の方の感想】
・多種多様のマスメディアからの情報はあふれています。この学習を通し,正しい知識と情報を持つことで,性→生として受けとめることができるようになると強く感じました。
・子どもを産み,育てることを重く考え,興味だけで性に向かうことがないような講演内容でしたので,先々子どもの心に残ってくれると思います。
・どんな講座を受けるのかと様子を見に来たつもりが,涙が止まらなくなってしまいました。
・なかなか家庭では話すことができないので,たくさんの保護者にきいてもらいたい内容でした。