スーパーグローバルハイスクール(SGH)

SGH アイヌ研修






 今年度は,アイヌ研修として白老町のポロトコタンと,平取町の二風谷アイヌ博物館にて研修を行いました。

 ポロトコタンは,国立アイヌ文化博物館(仮称)の立地場所であり,ポロト湖の淵にあるコタン(アイヌ集落を再現したもの)です。今回の研修は,コタン内の博物館の見学だけではなく,夏の特別イベントである「ポロトコタンの夜」にも参加しました。普段の生活とカムイ(神々)の存在が密接に結びつき,カムイへの感謝・祈りをささげる舞踊や歌を,チセ(アイヌの家屋)の中で鑑賞する貴重な機会となりました。

 平取町は,白老町とは異なり,内陸部にあります。同じアイヌであっても,暮らす場所によって生活様式,とりわけ文化作品(アットゥシやイタなど)が異なることを発見できました。また二風谷では,貝澤功一氏の話を聞くことができました。貝澤氏は二風谷に昔から住むアイヌの子孫であり,博物館の講師を勤められている方です。今のアイヌの状況やこれからのアイヌ文化をどう残していくべきか,そのためには何が必要なのかを語っていただきました。さらに,つとむ民芸店の店主である貝澤徹氏にも,かつて賑わいのあった二風谷の様子や,現代の生活においてアイヌ文化の変容を,実際の芸術家の視点から話していただきました。平取町では,とくに文化の伝承という観点からの学習を深めることができました。

 生徒の感想
「アイヌ文化に今回のように深く関わる経験をしたことがなかったので,この研修でアイヌに対する物珍しさが無くなった。北海道,日本で生活しているにも関わらず,アイヌ民族に対する知識,触れあう機会が少ないと感じていたため,今回の研修は有意義な時間になった。一度,日本政府によって消えかかったアイヌという文化を受け継ぐ方々の存在の大きさを実感し,私達自身も伝え合っていくことが大切であると学んだ。」