スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

SSH 現代科学Ⅱ「アプローチ」を,高2理系生徒を対象に実施しました(3)


 6月6,13,20日の3週にわたり,高校2年生の理系生徒が,土曜日の午後,北海道大学の理系研究室を訪問しました。
 興味のある研究室を訪問し,その最先端の研究や研究室の様子を見学する事で,具体的に大学のイメージを掴んでいました。
 また,単なる感想文ではなくレポートを提出することで,課題研究の素養を高める取り組みをしました。

6月20日

  • 黒岩麻里 准教授(北海道大学 理学研究院 生物科学部門 生殖発生生物学分野)
  •  訪問した附属ゲノムダイナミクス研究センター西棟,黒岩研究室では,様々な遺伝子の研究を行っています。はじめに北大の概要を説明していただいた後,TA大学院生の方によるアガロースゲル電気泳動の実演をしていただきました。実験には発がん性物質も用いるため,非常に緊張感のあるものになりました。後半は,実際に学部生が使う学生実験室や,各種顕微鏡の見学を行いました。電子顕微鏡など普段見ることのできない機器の見学は,非常に生徒の興味を引くものでした。

  • 滝谷重治 准教授(北海道大学理学研究院 生物科学部門 ゲノム機能科学分野)
  •  訪問した附属ゲノムダイナミクス研究センター西棟は,北大で必要な研究動植物を管理しています。遺伝子組換えを行った生物を扱う場合には,外部に逃げて遺伝子汚染をしないように厳密に管理され,生徒は研究と同じように研究生物の管理の大切さに気づかされました。後半は,滝谷研究室で研究機器の説明や実際に扱っているカイコガの見学でした。完全家畜動物となったカイコガは人間なしには子孫を残せないことや,一つの繭から1kmの絹糸が採れることなど,興味ある話に熱心に耳を傾けていました。また,研究機器は大学で使用しているものほど立派ではありませんが,本校(慶祥高校)にも簡素な機器があることに気づき,自分たちにもいろいろな実験ができる,と意欲を燃やしていました。

  • 鈴木孝紀 教授(北海道大学 理学研究院 化学部門 有機・生命化学分野)
  •  訪問した理学院の有機化学第1研究室は,たくさんの実験器具の中,学生たちが熱心に研究していました。まず研究の内容と実験についてお話を聞き,先生と学生に指導いただきながら,色素混合物の分離実験を行いました。班に分かれて実験を行いましたが,それぞれで実験の結果が少しずつことなり,研究の難しさと面白さを感じとることができました。指導してくださった学生の研究話や卒業生の就職先も聞くことができ,生徒たちの進路選択がより具体的なものとなり,将来の選択肢の幅が広がりました。