スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

SSコースは,「さくらサイエンスプラン」でシンガポールの生徒と国際科学研修を行いました(北海道編)

 10月8日(木)~14日(水)の7日間にわたって,SSコースの16名はシンガポールのNational Junior College (NJC)から招いた9名の高校生と共に,北海道内,東京・つくば方面の科学技術研究施設訪問し,国際科学研修を行いました。
 8日~11日は,北海道内で,SSコース全員が参加して国際科学研修を行いました。 北海道大学,植松電機,旭山動物園,十勝岳,東京大学演習林をNJCの生徒と共に訪問しました。






 10月8日(木)  北海道大学
「量子集積エレクトロニクス研究センター」訪問
 午前中は,学校でNJCの歓迎セレモニーを予定していましたが,超大型の台風23号による暴風警報が発令され,臨時休校となってしまいました。
 午後の北海道大学量子集積エレクトロニクス研究センター訪問ではセンター長の橋詰保先生による講義で青色発光ダイオードの開発と低電力白色光源の獲得についてお話を聴講しました。その後の研究室見学では,デバイスの計測,クリーンルームでの製造行程を見学しました。クリーンルームには白衣に着替え,エアシャワーを浴びての入室等で興味深い体験をしました。

 10月9日(金) 
株式会社植松電機にてロケットワークショップ
 赤平の株式会社植松電機にて,植松努専務の講演ビデオを上映いただきました。植松専務がどのような思いでロケット開発を始められ,何のためにロケット学習を広めようとされているのか,感動的なお話でした。
 その後,4名ずつ6班に分かれ,ロケットを製作しました。紙製で固形燃料を発火させて飛び立つ興味深いロケットです。2時間程度で製作は終わり,午後に,3秒間ほどの低重力環境を得る低重力実験設備,ロケットエンジン燃料の燃焼実験を見学して,午前中に自作した6機のロケットの打ち上げを行いました。高度計による測定では,50mを超えて大空へ舞い上がりました。

 10月10日(土) 旭山動物園にて
動物行動学の学習,十勝岳での火山観察
 動物の行動展示で有名な旭山動物園を見学しました。学芸員の佐賀真一さんから,旭山動物園が行っているオランウータンや像の絶滅を防ぐためのボルネオ島の環境を守る国際的な協力の様子を紹介する講義を聴き,森林保全の大切さを強く感じる内容でした。
 午後は明日の研修地である富良野に向いました。途中,Apple社の壁紙で有名な「青い池」と十勝岳の望岳台に立ち寄り,防災ダムと十勝岳火山の噴煙や火成岩を観察しました。火山のないシンガポールの生徒にとっては,とても貴重な経験でした。
 夕食後は,翌日の北海道演習林での事前学習「持続可能な社会で森林の活用はどうあるべきか」をテーマにして3つの班に分かれて,高校生による提言をまとめました。慶祥の生徒とNJCの生徒が共同して英語でコミュニケーションを図りながら,事前に調べてきた内容や,インターネットを検索しながら翌日の北海道演習林にて発表準備を22時30分頃まで頑張って行いました。

 10月11日(日) 
東京大学北海道演習林にて研修
 東京大学北海道演習林にて森林の持続可能性をテーマに研修を行いました。林長の鎌田直人教授から,演習林内の木々を中心に,森林の世代交代,自然林と人工林,林分施業法の講演を受けました。その後,鎌田先生,尾張敏章先生,福井大先生の3名により,森林内を案内いただきました。自然林と人工林の2箇所を案内いただき,その様子の違いを観察しました。紅葉が最も美しいタイミングでの森林観察で,季節の違いが少ないシンガポールの生徒にとって,日本の四季を感じてもらえた巡検でした。
 昼食の後,昨夜遅くまで頑張ったグループ毎の発表を英語で行いました。それぞれの発表について,3名の先生方から質問やアドバイスを多くいただけました。最後の講評において,鎌田先生から「今後の学習や研究の中で,一方向だけからの考察ではなく,多面的に物事を見ることが重要です」と意義深いお言葉をいただきました。
新千歳空港へ移動し,立命館慶祥SS生徒は3名が同行して東京へ,残りの生徒は解散しました。

 英語によるコミュニケーションを図りながら,科学について知り,考える貴重な体験ができました。