スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

高1 科学の最先端の研究に触れる~SSH「SSDayⅠ」が開催される

本校SSHでは,行事としての取り組みをSSDayと名づけています。5月21日(月)の「SSDayⅠ」は,高校1年生を対象に本校SSHの活動を知ってもらい,また最先端の研究に触れる日です。
 1時間目は昨年度,シンガポールやタイでの国際共同課題研究に参加した先輩の研究発表や,本校SSHの取り組みの概要を聴講しました。
 2,3時間目には,北海道大学の先生方9名にお越しいただき,特別授業を行っていただきました。数学,物理,化学,生物,医学,環境の6分野から,生徒は希望する2講座を受講しました。


【数学】『トポロジー 柔らかい図形の数学』
 講師・石川 剛郎 教授(北海道大学 理学研究院 数学部門)
 メビウスの帯をはじめとする不思議なトポロジーの世界を,模型を用いた実演を交えながら高校生にも分かりやすく講義していただきました。


【物理1】『すごいぞ,超伝導 -超伝導と先端科学技術-』
 講師・小田 研 教授(北海道大学 理学研究院 物理学部門)
 超伝導について分かりやすく解説をしていただきました。実際に反発力と引力によって直進するリニアモーターカーのデモンストレーションなども行っていただきました。


【物理2】『未来を正しく展望しよう -工学とはどのような学問か-』
 講師:永田 晴紀 教授(北海道大学 工学研究院 機械宇宙工学部門)
 工学と自然科学の違いについての話をしていただきました。簡潔で分かりやすい先生の話に,生徒も大いに興味を引かれ,熱心に聴講している様子がうかがえました。


【化学1】『宇宙における分子の進化と氷微粒子の役割』
 講師:渡部 直樹 教授(北海道大学 低温科学研究所 雪氷新領域部門)
 宇宙空間に存在する物質の分析から,宇宙の成り立ちを考察する,スケールの大きな研究のお話をして頂きました。


【化学2】『「色」で見る有機化学の世界 ~光や電気に応答して~』
 講師:石垣 侑祐 助教(北海道大学 理学研究院 化学部門)
 物質の色は分子の一部が置き換わっただけで劇的に変わることなど,とても興味深い講義をしていただきました。生徒からの質問も多く出され,充実した時間となりました。


【生物1】『動く遺伝子トランスポゾンと環境適応』
 講師:伊藤 秀臣 助教(北海道大学 理学研究院 生物科学部門)
トランスポゾンを題材に,遺伝子とは何かという話題から,生物が環境に適応していく巧みな技について紹介していただきました。


【生物2】『バランス・オブ・ネイチャー ~変化する生き物・進化する生き物~』
 講師:内海 俊介 准教授(北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター)
 生態系のバランスを維持していく上で欠かせない生物の変化と進化について,ハンノキの葉や根粒の観察を交えながら,講義を行っていただきました。


【医学】『脳の研究ってどんなの?』
 講師:田中 真樹 教授(北海道大学 医学研究院 生理系部門)
こころは脳の機能の一部であること,およそ2万あるヒト遺伝子の8割は脳で発現することなど,脳研究の多様なアプローチについて興味深い講義をしていただきました。


【環境】『みんなで作る自然エネルギーの島「アイヌモシリ・北海道」』
 講師:山形 定 助教(北海道大学 工学研究院 環境創生工学部門)
 北海道のエネルギー自給率が200%と豊富であることについて教えていただきました。生徒たちに問いかけながらお話いただき,生徒は自分たちの生活のありかたを振り返る良い機会となりました。