今日はバンコクの中心地にあるチュラロンコーン大学を訪れ,その中に設置されているHuman Body Museumを見学しました。かつて本当に生きていた人の身体に特殊な処理をすることで半永久的に標本化し,解剖学などの研修に利用されているそうです。標本のすべては日本の大学を通じて送られたそうですが,このような本物の身体を見ることができる施設は世界でも10数箇所のみとのことです。特に将来,医療系の進路を考えている人にとっては良い刺激になったのではないでしょうか。
※現地では写真を撮ることはできないので,ホームページを紹介します
The Human Body Museum in Bangkok
続いて,タイの人々の生活の向上を最大の目的として作られた,チュラポーン研究所で研修を行いました。タイにおける農業の発展,環境対策,病気の予防と対策など,人々の暮らしの質を向上させるために,様々な分野で基礎研究が行われています。科学技術は「世のため人のため」というモチベーションから発展するものでもありますが,タイでは特にその心意気が強いように思われます。その影響もあってか,高校生の課題研究を比較すると,日本では身近な現象の原理を解き明かす純粋な好奇心によるものが高い評価を受け,タイではどのように生活や農工業に利用されうるかを強調しているというのも興味深いです。
普段学校では見たことのないような実験機器に生徒たちは目を輝かせていました。何人かの研究員の方がそれぞれの研究内容や設備の説明をしてくださいましたが,やはり専門用語は難しく,「コミュニケーション英語」と「学術英語」の壁を痛感した研修でもありました。現在進めている各グループの研究発表を通して,少しでも多く学術英語の運用に触れてほしいと思います。