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高校3年生 立命館コースのマスコミ特講の授業:東日本大震災の記事から考える





 今日は,マスコミ特講の授業の様子を紹介します。マスコミ特講は昨年度より週1時間増えて,今年から週3時間になりました。前期は北海道新聞社様のご協力によりの連携講義を行っています。 北海道新聞社見学を講義の皮切りに,毎年行っている5月3日の憲法記念日の社説の読み比べをしました。今年は,憲法65年の節目ということから大変深い読み込みができました。
 先週から2週にわたり,東日本大震災から出てきた2つの論点について理解を深めました。 第1の論点として取り上げたのは「がれき処理」の問題です。新聞に掲載された3つの投稿を議論のきっかけとして,新聞記事を通じて,がれき処理に関する知識をいれ,世論を学び,最後に自分の意見を主張し合うというものでした。自分の住んでいる町でがれき処理に手を挙げていることも知らなくて驚き,より関心を持たなくてはという責任感のようなものを感じている生徒もいました。
 第2の論点は「原子力発電所」についてです。「議論を大切に,人の意見は批判しない」このことはこの授業をする上での大切なルールです。授業を行った日は,5月31日(木)で,大飯原発再稼働へというニュースが新聞の一面を飾った日でした。生徒達は,5月29日(火)の新聞で報じられた経済産業省の総合資源エネルギー調査会の電源構成4案について,生徒たちは自らの意見を述べました。
 いわゆる「脱原発」,原発を強制停止すべきという主張を2名しました。「世界から見た原発の不安や風評被害の目は福島にとどまらず,日本全体に向けられている。それは日本で支援されながらも孤立する福島と同じ気がしてならない。今こそエネルギー改革のタイミングだと思う。」「原発を推進すると言うことは原発事故の被害者に寄り添った考え方であるとは思えない。多くの被害者が出てしまったというのに,同じことを繰り返すのか。日本は地震大国だ。」と主張。
 5名が「原子力発電の割合を15%」を主張しました。「遅かれ早かれ,原発への依存度は改善するべきだとは思う。激変緩和措置であり,新エネルギー政策を早急に進めるべきだ。」「温室効果ガスの排出削減は進みにくい。私の意見は減発(原発を減少させるという意味の造語)だ。」  「今後も原子力発電の割合を現状どおり一定維持する。」という主張を2名の生徒がしました。
「1度あげてしまった生活レベルを下げることはできないと思う。今と同じ生活を続けるために原発割合は維持すべきだ。」
 4名の生徒が「数値目標なし」を選択しました。 「原子力に変わる安定した電力供給ができるものがないので完全停止させるのにはためらいがある。だからといって増設というのは危険度が増すだけなので賛成できない。」との意見を表明しました。  このように議論や意見表明を通じて形成されていく価値観が,未来を作っていくと信じ,これからも進めていきます。来週のテーマは「TPP」について,高校生が熱く語り合います。

(担当:細川 典敬)