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Connect Your Road Vol.2  ~文理それぞれの学びへ








 11月16日(金)6時間目にConnect Your Road Vol.2が行われました。
 理系生徒と高校3年生のSSコースの生徒は電子科学研究所の三澤弘明教授の講義を聴講しました。「透明な太陽電池開発への挑戦」と題し,太陽光のエネルギーを利用することができれば,世界のエネルギー問題が解決し,エネルギー問題が解決すれば戦争の50%は解決するという話から始まりました。可視光線ではなく赤外線からエネルギーを取り出すこと,植物の光合成と同じような反応を人工的に行うことなど,現在研究していることについて噛み砕いて説明していただきました。生徒たちにとっては少し専門的で難しい内容でしたが,化学などで学んだ知識を使い,エネルギー問題をはじめとする環境問題について深く考えることができました。
 文系生徒は工学部の船水尚行教授の講演を聴講しました。船水先生は事前の打合せの席でも,「理系だから文系の知識がいらない」「僕の仕事は経済の部分も多い」と言われていて臨まれた講義でした。演題は「トイレで貧しさから抜け出す。アフリカ・ブルキナファソでの挑戦」と題し,日本やヨーロッパといった先進国とアフリカや東南アジアといった発展途上国の死因の違いでから始まりました。
 「先進国の主な死因はがんや循環器系の病気であるのに対し,発展途上国は感染症で亡くなる方が多いのが現状。これは上下水道の仕組みが整っているかどうかの違いが大きく関係している」「私たちは普段何気なく「水」を使っています。しかし,日本の「水」の仕組みが私たちを感染症などの病気から守ってくれているのだ」とおっしゃっていました。 また,「世の中から病気をなくす」,「社会全体を良くする」というと,医療の問題だと思われがちですが,何気なく使っているこの水の仕組みが発達しているかどうかが深く関係しているということもおっしゃっていました。上下水道の設備が整うということは医療費の減少という大きなメリットにつながります。しかし,病院にかかることの少ないアフリカの人々はそのような説明では魅力を感じてくれないと船水教授は言います。教授はアフリカで仕事をする際,現地の方々に「トイレは一体何なのか」という質問に対し,「お金もうけの道具だ。」と答えるそうです。トイレを使うことによって,10人家族で年間2万円もうかるそうです。アフリカの人々に,トイレを利用することは,「価値を高めるための処理」だということです。
 講演終了後には,三澤教授も船水教授も1時間以上,生徒の質問に答えてくださりました。船水教授は実際に持ってきて下さったトイレを前に,たくさんの生徒が残って興味津々な様子でした。このような光景も印象的でありながら,私たちにとっては恒例の姿になりつつあります。

(細川典敬・岩倉衣梨奈・渡邉文子)